飲食店のエアコンの掃除・洗浄の方法とその必要性
2018/09/17
テリーです。
夏頃から急激に需要が増えるエアコン洗浄ですが、イマイチわからんという人がいると思うので、掃除とか洗浄についてもろもろまとめてみました。
店舗のエアコンを掃除・洗浄する意味
店舗にあるエアコンをにキレイする義務なんてありませんし、法律で定められてもいません。
ただ、エアコンを定期的に掃除・洗浄してキレイにすることには意味があります。
なぜならエアコンは厨房、客席、事務所など様々な場所に置かれており、店内空間を左右する大事な設備の一つです。
お客さんが臭い風を浴びたり、暑いのに生ぬるい風しか出ないとか、エアコンから水がポタポタ垂れる店舗にまた行きたいとは思えないはずです。
また従業員からしても不愉快で、モチベーションの悪化につながりかねません。
エアコンをキレイにすることはお客さんのためであり、ひいてはお店の利益につながるとテリーは思います。
業務用エアコンの掃除・洗浄の方法
エアコンをキレイにする方法として、大きく4つご紹介します。
分解洗浄(オーバーホール)
エアコンを部品単位で分解し、各部品を水洗い、高圧洗浄します。
これがエアコンをキレイにする方法としては最も効果的で主流です。
なぜかというと、前の記事でエアコンは「熱交換器」が重要だとお話しました。
参考:エアコンの基礎知識【構造編】|めんテナ
この熱交換器はエアコンの内部に存在し、分解しないと洗浄することができないからです。
分解洗浄は基本的に業者かメーカーに委託しましょう。
自分でやると配線などをショートさせたり、部品の扱い方を間違えて壊してしまう可能性もあるので止めた方がいいです。
フィルター(簡易)清掃
フィルター清掃は、エアコンのフィルターのみをキレイにするやり方です。
簡易清掃というだけあって分解洗浄と比較すると表面的な清掃といったイメージで問題ありません。
しかしフィルターには埃がたまりやすく、やる意味は大いにあります。
これは業者に委託することもできるのですが、エアコンの種類によりますが自分たちでやることも可能です。
フィルターの脱着が可能であるならば、テリーは自分でやった方がいいと思います。
というのもフィルターは業者に依頼しても自分たちでやってもやることは特段変わらないからです。
簡単にできますし、何よりも業者に依頼すると高くつきますし。
※自分で出来るやり方はまた今度しっかり紹介しますのでお待ち下さい。。
防カビ/抗菌コーティング
カビが発生するのを抑制したり、菌が発生してエアコンが汚れることを防ぐためのコーティングをします。
金額的には高くはないですが、一般的に分解洗浄するときに一緒にやっているところが多いです。
テリーはコーティングに関してはあまり詳しくないですが、大体6ヶ月ほどの効き目があるようです。
洗浄スプレー
市販されているエアコンの洗浄剤を散布するのも安価でキレイにする方法です。
これはあまり期待しないでください。
むしろ散布剤で内部の目詰まりを起こしたり、いけないことろに散布して壊したりするリスクを考えるとあまりオススメできる方法ではありません。
仮にファンを動かすモーターなんかを壊してしまっては安価でやろうと思ってやったことが逆効果になる可能性もありますので使用する際は注意して使って下さい。
そもそも洗浄しないといけないの?
結論としては、いけないわけではありません。
洗浄を入れずとも10年以上元気に動くエアコンもあれば、1年しないうちにダメになるエアコンもあります。
そのエアコンが稼働する環境や状況によって洗浄の必要性というのは全然違います。
仮に大きなメガチェーンの飲食店で、メンテナンスの予算が余るぐらいあれば毎年やっても構いませんが、多くの個人店さんはそうはいかないと思います。
「なんだか最近汚くなった?」「ちょっと風が臭くなってきた?」ぐらいの変化が出始めたときに洗浄することを検討し始める程度で問題ないと思います。
キレイにしないと発生するリスク
悪臭・異臭
悪臭が発生するのは、エアコン内部の結露した水が原因でカビが発生することや、その水が溜まるドレンパンという受け皿があるのですが、そこに溜まった結露水が汚れることで発生する可能性が高いです。
喫煙環境がある場合は、タバコの煙をエアコンが吸ってしまうので当然内部にヤニがこびりつき臭いを発します。
結露水は冷房を使用することで発生します。室内の暖かい空気を熱交換器で取り込み冷媒菅で冷やした時に生まれる温度差が原因です。
逆に暖房を使用するときに結露水は発生しないのでドレンパンが汚くなることは多くはありません。
エアコンからカビ臭い風、タバコ臭い風が来たりするのは、夏場が多いのではないかと思います。
冬場は臭い関連のトラブルが少なく、夏場は多いのです。
エアコンの風が臭いと、客さんは当然不快ですので気をつけて下さい。
解決方法
ドレンパンを始めとするエアコンの内部の部品をキレイにしてあげないといけないので、分解洗浄がオススメです。
もしくは事前にコーティングなどをすることなどで予防することはできますが、実際のところ強い効果を期待しない方がいいとメンテナンス業界的には言われていたりします(参考までに)。
悪臭や異臭が発生してしまったら自分たちでどうにかするのは難しいと思うので、業者に依頼して分解洗浄をすることが効果的です。
ちなみに上の写真はタバコのヤニで汚れてしまった熱交換器ですが、分解洗浄をしてあげると
ここまでキレイすることができます。
必ず取れるわけではないですが、ヤニ汚れを落とすことで臭いをなくすことは可能です。
冷暖房効率の低下
フィルターや熱交換器にホコリなどの汚れが堆積すると、エアコンの冷暖房効率が低下します。
冷暖房効率が低下すると、エアコンの設定温度を極端に低くしても室内の温度が下がらないなんてこともあり得ます。しかもその分燃費が落ちるので、電気代が無駄にかかったりしてしまいます。
こうなってしまうとお客さんにとっても店舗にとっても何もメリットがありません。
解決方法
「あんまり冷えないな」もしくは「あんまり暖かくならないな」と感じたら、まずは自分たちでフィルターをキレイにする方法を考えることをオススメします。
フィルターをキレイにすることで、改善されるケースは意外に多いです。
上にも書きましたが、業者に依頼すると一枚だけの清掃を受け付けているところは少なく、10枚からじゃないとダメ!なんてところも珍しくありません。
フィルターを洗浄しても改善されないようであれば、熱交換器に原因があると考え分解洗浄をしましょう。
※それでも改善されない場合は、室外機の不具合やガス漏れなどが考えられます。
(この辺は掃除や洗浄は関係ありません)
水漏れの発生
上で説明した結露水が溜まるドレンパンに、水が溜まりすぎて溢れてしまうことで水漏れは発生します。
普通のドレンパンは一定量の水が溜まったら排水される仕組みになっています。
しかしドレンパンに付着した汚れが水の通り道を遮っていたり、底に汚れが堆積して水位がうまく調整できなかったりすると水漏れが起きやすいで注意が必要です。
水漏れが発生するとお客さんにかなりの不快感を与えてしまうので気をつけて下さい。
これもエアコン内部に水が発生する夏場に多いトラブルの一つです。
解決方法
まずは予防として、適切な周期での定期的な洗浄を心掛けましょう。
普段から露見しているところではないので、定期的に開けてキレイかどうかを見て確認してください。
開けないとそもそもどんな状態かわかりませんので、そのきっかけとしても定期的な洗浄をオススメします。
特に水が溜まりやすい夏場のシーズンでは、ドレンパンを外して溜まった水を捨てる店舗さんなんかもいます。
また、ドレンパンがキレイなのに水漏れしているケースは水の量を検知するポンプ、その先の配管等に原因があります。
そのほかに「埃が飛び散る」「異音がする」などのリスクも存在します。
まとめ
定期的に掃除や洗浄をしてキレイにしていないと当然上記のようなリスクがあります。
冒頭でも話した通り、エアコンは店舗の空間を左右する大事な設備です。
お客さんが快適でいるためにキレイにしておくべきだとテリーは思います。
また飲食店は人の出入り、喫煙環境、厨房排気など室内の空気が汚れたり埃が飛びやすい環境なのです。
飲食店の方は他の環境に比べエアコンが「汚れやすい環境である」ということを自覚してください。
しかし大抵上記の困りごとが発生するときは「分解洗浄」や「フィルター洗浄」を怠ったというのがほとんどです。
店舗のエアコンをキレイにするには「分解洗浄」「フィルター洗浄」が大切だということを覚えていて下さい。
それ以外の方法に効果がないとは言いませんし、使い方によってはメリットも当然あるとは思いますがテリーはあまりオススメはしません。
その理由としては安価で済まそうとして大して効果がなかったり、むしろ逆効果を招いたりするかもしれない上、最終的には余分なコストがかかる可能性すらあり得るからです。
ですのでテリーは確実にキレイになる分解洗浄と、自分たちでも低リスクで行うことができて、且つお金をかけずやれる上に効果も期待出来る方法としてフィルター清掃をオススメします。
結論、「分解洗浄は業者で」「フィルター洗浄は自分たちで」やることが効率的で最もコストを抑える方法なんじゃないかとテリーは思います。その「分解洗浄」と「フィルター清掃」は今度さらに掘り下げてご紹介します。
今回はこの辺で。