飲食店のための害虫講座「ゴキブリ編」【侵入予防・対策の方法】
2018/09/17
テリーです。
みなさま、お久しぶりです。
久しぶりの更新となります。
体調不良・引越し・身内の不幸などいろいろが重なって、全く更新できませんでした。。
しかし。
また今日から心新たに頑張っていきたいと思います。
今回はゴキブリ講座の第2回目です。
前回の内容は下記をチェック。
前回は発生する原因やリスクをまとめました。
今回はその対策についてです。
ゴキブリ対策の考え方
ゴキブリをなんとかしたい!と思ったとき、「どう駆除しようか」と考えがちですが、対策の基本はそうではありません。
ゴキブリが発生してしまう根本的な原因は「外からの侵入」です。
ゆえにゴキブリ対策の基本は「入れないようにすること」です。
駆除することは発生した前提なので、まずは「侵入を防ぐこと」に力を入れましょう。
それが一番の解決策です。
店舗の掃除・清掃
清潔であることの大切さ
飲食店は餌である水や食料に事欠かない・エアコンが効き適温が保たれている・ジメジメして暗い場所が多いという、まさにゴキブリにとって天国のような場所です。
ゴキブリは水だけでも1ヶ月生き延びることができるので、どれだけ完璧に掃除してもゴキブリが完全に住みたくない環境を作ることは難しいです。
それでも店舗の掃除・清掃は欠かさないでください。
店舗を清潔に保つことがなぜ大切なのか?
理由は大きく2つあります。
1、「清潔」はゴキブリ対策の「前提」
店舗が清潔であることが、「侵入を防ぐ」ことの前提として必要なのです。
たとえどんなにゴキブリの侵入を防ぐ対策をしていても、店舗に生ゴミが散乱していれば、それがゴキブリを引きつけてしまうのでその他の対策の意味がなくなってしまう可能性があります。
ただでさえ飲食店はゴキブリの好む環境です。それでもできるところはしっかりと清掃することは非常に重要なことなのです。また店舗を清潔にしておくことはコバエなどのその他害虫や、ネズミなどの害獣対策にも共通して言えることなので、掃除・清掃を怠らないようにして下さい。
2、ゴキブリの繁殖を防ぐため
不衛生な環境や乱雑でればあるほど、ゴキブリは喜んで巣作りをします。
ゴキブリは狭いスキマを好んで生息するので、什器やモノを置くときには壁とのスキマを2cmほど開けたり、段ボールなどゴキブリの好むものを置かないなどの「ゴキブリが住みにくい環境」をつくり続ける努力が必要です。
もし仮にゴキブリが侵入して店内でよい住処を見つけていたとしたら、彼らはフェロモンを発し仲間を呼びますので、それらを防ぐためにも店舗はなるべく清潔な状態を維持しましょう。
侵入を防ぐ対策
侵入を防ぐ手段として、「スキマをなくす対策」と「匂いでの対策」をご紹介します。
1、隙間をなくす
ゴキブリはありとあらゆる隙間から侵入してきます。
侵入能力が非常に高くて、ゴキブリは5mmの隙間があれば侵入可能です。
「うちの店は隙間あんまりないんだけどなぁ」と飲食店の方はいると思いますが、そんなことはありません。飲食店にはゴキブリが侵入する隙間が多く存在します。
シャッターの隙間、出入り口の開閉時、排気口、配管と壁の隙間など、ありとあらゆる隙間から侵入してきます。
吸気口や排気口などの完全に塞いではいけないモノは防虫フィルターや網目の細かいフィルターを用意して侵入を防ぎ、崩れた壁や配管と壁の隙間など完全に塞いでもいいモノはテープやパテなどを使用して隙間を隈なくなくしましょう。
「隙間を塞ぐ」ことは、ゴキブリの侵入を防ぐこと以外にも他の害虫の侵入や、くさい匂いを閉じ込めたりすることにも効果が期待できるので活用してみて下さい。
※ゴキブリに気を取られ隙間を埋めすぎると、店内の排気と吸気のエアーバランスが崩れる恐れがあるので気をつけて下さい。
2、匂いでの侵入対策
隙間を埋めるのは非常に効果的ですが、手の届かなところや、排気口や入り口など塞いではいけない箇所も存在するので限界があります。
そうゆうときは匂いでの対策も有効です。
ゴキブリは非常に優れた嗅覚があり、またそれを学習する能力がある恐ろしい生物です。
そんな彼らでも嫌いな匂いがあり、嗅覚が優れているからこそ匂いでの対策は有効なのです。
ゴキブリの嫌いな匂いは「ハーブ系の匂い」です。
外からの侵入経路にゴキブリのハーブの匂いの発するモノを置いたり散布することで、ゴキブリを見る機会は減少します。ハーブといっても幅広く、ゴキブリが嫌いな匂いはいくつかあるのですが、テリーのオススメは「ハッカ」です。
ハッカをオススメする理由は、ハーブの中でも格段に安く手に入る上、防虫効果だけでなく消臭効果なども期待できる万能ハーブです。
ハッカと水を混ぜたハッカスプレーはお手軽に作れるのでご紹介します。
ハッカスプレーの作り方
■用意するもの
- ハッカ 20滴
- 水 90ml
- 無水エタノール 10ml
- 空のスプレー容器
作り方は超簡単で、ハッカと水を1:9で混ぜたモノをスプレー容器に入れて完成です。
※スプレー容器は100均などでも売っていますが、もし購入する場合は「ポリプロピレン(PP)」、「ポリエチレン(PE)」、「ガラス」のものにしないと容器が溶解する恐れがあるのでご注意下さい。
※濃度は防虫効果を高める場合はお好みで濃度を強くしてご使用ください。
店舗での使用方法
(1)入り口、換気口、窓など外と繋がる侵入経路中心に散布して、侵入防止を図りましょう。ゴキブリは夜行性なので、動きが活発になる夜間に散布することを意識しましょう。簡単な工程なのでお店のクローズ作業の一環にしてしまってもよいかもしれません。持続力は長くありませんので毎日やりましょう。一番開閉が多い店舗の出入り口や、厨房の裏口などを中心にやると効果的です。
(2)店内の床や厨房の清掃業務の際に散布して使用することで、防虫効果のみならず消臭効果も期待できます。
ハッカスプレーをオススメする理由
市販されている強い薬剤が使用されているモノを使用すると飲食店の場合、夜間に噴射したとしても不快な匂いが残ってしまいお客さんに迷惑をかけてしまう可能性や、誤って食材にかかってしまい大惨事を引き起こす可能性があります。
また出入り口や店内に置いたり貼ったりして使うタイプのハーブ系防虫ツールは効果持続期間が大体1ヶ月前後と短く、コストパフォーマンス的にあまりオススメはできません。(しかも以外に匂いが強いモノが多いです)
ハッカスプレーはお手軽ですし、人体にかけても大丈夫なほど安全でかつ匂いも爽やか、安価でコストパフォーマンスが高いものとしてテリーはオススメです。
ハーブによっては逆効果!?
ゴキブリが嫌う匂いはハッカ以外にもシナモン、ラベンダー、ナツメグ、キャラウェイ、クミンなどがあります。ちなみに100均で売ってるようなアロマオイルは、成分が人工の合成香料なので効果があまり期待できないので注意が必要です。
ユーカリ、バニラビーンズなど甘いハーブの匂いは逆にゴキブリが好み、引きつけてしまう恐れがあります。
厨房にこれらのハーブがある場合、蓋をしたり容器に入れることで匂いが拡散することを防いでください。
匂いで防虫する際の注意点
・匂いが強い防虫ツールの使用は気をつけましょう。お客さんが嗅いでしまうことで店舗イメージを著しく傷つける可能性もあります。
その他侵入経路の対策
排水系統からの侵入
排水系統はゴキブリが好む環境で、かつ絶好の侵入経路になります。
塞ぐことは簡単ではないので、あまりお勧めしません。ここはハッカスプレーやハーブの匂いで対策をしましょう。
グリストラップからの侵入
グリストラップからの侵入もよくあるケースです。
この場合は写真のように、グリストラップのトラップ管の蓋がないため、外から配管をつたって発生してきます。
ゴキブリは水の中では生きることができないのでトラップ管の蓋を購入してしっかり塞ぐことで解決できます。
あるトラップ管のない店舗ではサランラップを輪ゴムで巻いて密閉しようとしていましたが、オススメはしません。そういった代用品を使うにしても耐腐性があるものを使いましょう。一番いいのはおとなしくホームセンターに行くことです。
換気扇・排気ダクトからの侵入
ゴキブリは空中戦も仕掛けてくるので気をつけましょう。
水廻りに比べたら発生率は下がりますが、それでも換気扇やダクトから発生するケースが少ないわけではないので注意が必要です。
塞ぎ切ることは不可能なので、換気扇の音で威嚇したり、ハーブの匂いでゴキブリを遠ざけることが有効です。また写真のような外に伸びるダクトの入り口には、基本的には網がついており、この網のことを「防鳥網」と呼びます。
この網がないとゴキブリ等の害虫はもちろんのことネズミなどの害獣の侵入経路になってしまうので、ない店舗はつけるようにしましょう。
まとめ
いくつか紹介しましたが一つだけを行うのではなく、組み合わせて侵入予防を欲しいと思います。
テリーのオススメは、大きな隙間だけパテやテープで埋めて、日常的にハッカスプレーでゴキブリを遠ざけつつ、毎日しっかりと掃除・清掃を行うことで、大分ゴキブリを見る機会は減るはずです。
あくまで今回の内容は侵入を防ぎ、予防するための「対策」のお話です。
これをやっても、店舗へ侵入されてしまう可能性はかなり高いと思います。
しかし、「たかが対策、されど対策」です。
するのとしないのでは大きな差が出ますので、お困りの方は実践してみて下さい。