厨房の排気ダクト・排気設備まとめ【排気の仕組みと排気不良の原因】
2018/09/17
飲食店の厨房であれば、必ずある排気ダクトや排気設備。
「なんだか吸いが悪いなぁ」とか思うことってありませんか?
そんなお困りの方は見ておいて損はありません。
厨房の排気はどのような仕組みで行われているのかを設備毎に簡単に解説して、
その後に排気不良の原因となる箇所をお教えしたいと思います。
厨房の排気設備
厨房の排気設備は火を使って煙や熱が出たり、厨房の匂いなどを外に逃がしてくれるなくてはならない存在です。
いろいろ設備とそれぞれ役割があるので紹介します。
1、フード
フードは調理場の上にあって、調理をしたときに出る脂を含んだ湯気や煙を囲い込み、排気設備へと誘導する役割があります。フードがないと、壁に脂を含んだ湯気や煙が当たり汚くなってしまうので大変なことになります。
2、グリスフィルター
グリスフィルターは、調理で出た脂を含んだ湯気や煙の、脂のみをキャッチしてその先にあるダクトなどの排気設備が油まみれになるのを防いでくれます。
あとで紹介しますが、グリスフィルターの清掃は定期的にしないと大変なことになります。
3、フィルターケース
Vバンク、フィルター受けなんて呼ばれたりもします。
グリスフィルターを取り付けるためには、このフィルターケースにセットします。
グリスフィルターを少ない枚数で最大限機能させるためVの形をしています。
4、防火シャッター
フィルターケースの中にいて、グリスフィルターを外すとこいつを確認できます。
防火シャッターは排気ダクトに火が延焼するのを防いでくれます。
普段は開いていて、煙や湯気を排気ダクトへ通すのですが、熱が180℃〜を超えると、防火シャッターのヒューズが熱で溶けて勝手に締まる仕組みになっています。
5、立ち上がりダクト
防火ダンパーのすぐ上に伸びるダクトを、「立ち上がり」なんて呼びます。
「え?別に普通のダクトでしょ?」って聞かれれば、そうなんです。普通のダクトなんです。
でもわざわざ名称をつけて呼ぶくらいだから、重要な意味があるんです。
とりあえずここでは、防火シャッターの先にあるダクトを「立ち上がり」と呼ぶことだけ覚えておいてください。
ここまでが店舗内で確認できるものになります。
ここからが店舗外にある排気設備です。
6、排気ファン
勝手にダクトを通って空気が外に行く…わけありません。
この排気ファンが回転して働くことで空気を外へ運び出します。
7、ファンベルト
排気ファンは勝手にセルフで動くのではなく、
このファンベルトが回転することでファンが稼働します。
排気ファンを動かす原動力です。なので必ずファンの側にあります。
以上が厨房の排気をしてくれる主要な設備です。
排気不良を起こす原因
排気不良で困っている飲食店は以外に多いです。
特に多いのは焼き鳥屋など調理時に多量の肉を調理したり
すごい煙が発生するお店だと、排気不良に悩まされます。
「あれ?もしかして吸いが悪い?」って思ったら
ここを見ておくといいというポイントを紹介します。
排気不良の原因は以外にシンプルなので、
ココでしっかり学び無駄に業者を呼んだりするコストを下げるのに役立ててください。
グリスフィルター
グリスフィルターは上で紹介した通り、油をキャッチする優秀なやつです。
が、清掃を怠ると油をキャッチし過ぎて目詰まりを起こします。
目詰まりを起こすと空気を通せなくなってしまい、排気不良の原因になります。
吸いが悪いと思ったら、まずはここを確認しましょう。
防火シャッター
グリスフィルターを外して、中の防火シャッターを確認しましょう。
防火ダンパーに油が固着して空気を通せなくなっている可能性があります。
「あれ?グリスフィルター仕事してんの?」と思った方。
グリスフィルターは確かに油をキャッチするのですが、その全てをキャッチする訳ではなく約80%の油をキャッチしてくれるのです。
つまり、残り20%はその先へ流れてしまってるのです。
なので防火シャッターが油まみれになっている可能性は十分あります。
また防火シャッターが油まみれだと、火災時に正常にヒューズがとばずに閉まらない可能性もあります。こうなるとダクトに火が延焼してしまい、いわゆる「ダクト火災」が起きてしまいます。
そうなる前に、必ずチェックしましょう。
あと防火ダンパーが排気不良の原因の可能性がもう一つあって、それは「ヒューズがとんでシャッターが締まっちゃっている」可能性です。
シャッターは熱が180℃を超えるとヒューズが溶けて締まります。
「そんな高熱当ててないよ」なんて思うかもしれませんが、
調理場とシャッターまでの距離や、調理時間などによってかなりの熱を
知らず知らずに当てている可能性は十分にあります。
忘れずに確認してください。
「グリスフィルター」と「防火シャッター」である可能性が高いです。
他の可能性も考えられますが、まずはその2箇所をチェックすることをお勧めします。
排気ファン+ファンベルト
これは基本的に店外にあります。
飲食店などの店舗管理者でも排気ファンの場所や存在そのものを知らない人も
少なくないので、まずは「どこにあるのか」を確認しましょう。
排気ファンにも油が固着する可能性があります。
排気ファンに油が固着すると当然ですが、重量が重くなったり、
固着した油が回転に干渉して動きが鈍くなります。
汚れすぎていないかチェックしましょう。
そして最後にファンベルト。
近づけばわかりますが、黒いベルトがすごい勢いで回転していると思います。
これは「ベルトが緩んでいるか」をチェックしましょう。
ただ慣れないと緩んでいるかどうかわからないと思うので、ここは無理に判断せず
明らかに緩んでいるようであればベルトの交換を、
緩んでいるかどうか分からない場合はプロに頼むことをお勧めします。
ちなみに
こうなってたりすると完全にアウトです。
まとめ
排気の仕組みと排気不良の原因が起きる原因がなんとなくわかりました?
仕組みはシンプルだけど、設備の名前とか機能とか以外に知られてない気がしたので
簡単にですが解説してみました。
排気不良は、違う可能性もありますが、多くの飲食店等の排気不良は上記のどれかの
排気設備が当てはまるケースをたくさん見てきました。
排気不良を感じたら、これらの設備を重点的にチェックしてみてください。
ではでは。